本ページは産地ブランドサイトの提案用デモ (非公式) です — 制作: 合同会社Pigeonworks。 JA鳥取西部・日南トマト生産部の公式サイトではありません。

中国山地・山陰 — 標高四〇〇から六五〇メートルの谷から

日南トマト

昼と夜の温度差が、甘さになる。

鳥取県日野郡日南町

気候

寒暖差 — 甘さは、気候がつくる

トマトはもともと、アンデスの冷涼な高地に生まれた植物です。日本の平地の猛暑はトマトには過酷で、 夜も気温が下がらなければ、昼につくった糖を呼吸で使い果たしてしまいます。

日南トマトのハウスは、標高四〇〇から六五〇メートルの高冷地にあります。お盆を過ぎれば夜は涼しく、 ときに寒いほどで、昼と夜の温度差は一〇度を超えます。日中の光合成でつくられた糖は、 冷えた夜に消耗をまぬがれ、果実に蓄えられていく。糖度が上がり、酸味との均衡がとれ、 果肉の締まったトマトになります。

出荷は七月から一一月。寒暖差が最も開く九月から一〇月、日南トマトは味の盛りを迎えます。

環境 — 春夏秋冬

蛍の飛ぶ、日野川の源流から

日南町は、日野川の源流の町です。町域のほとんどを森が占め、山の腐葉土を通った水が、 谷ごとの沢に集まって川になります。トマトのハウスを潤す水も、この源流域の沢水や湧水です。 自然に恵まれた美しい環境で育ったことが、この味の背景にあります。

雪解けの水が沢に集まり、川がふくらむ。骨組みだけで冬を越したハウスにビニールを張り、 畝を立て、晩霜の去るのを待って苗を植えます。
夜、川辺に蛍が飛びます。澄んだ水と、涼しい夜。トマトは蛍が育つのと同じ環境のなかで実り、 夜明けとともに収穫が始まります。
朝霧の谷が紅葉に染まります。昼と夜の温度差がいちばん開き、果実に糖が乗る。 日南トマトが味の盛りを迎える季節です。
日南町は特別豪雪地帯。雪の重みからハウスを守るためビニールを外し、 畑は雪の下で春まで休みます。

源流の水は真夏でも冷たく、中国山地のトマト産地には、いったん貯めて日差しで温めてから与える 工夫をする農家もあります。それほどの水の冷たさです。

土地の記憶

鉄を掘った土地が、トマトを育てている

この谷の山々は花崗岩でできています。風化した花崗岩 (真砂土) には良質な砂鉄が含まれ、 伯耆国日野郡は中国山地のたたら製鉄の一大拠点でした。砂鉄を採るために山肌を切り崩し、 水路で選り分ける「かんな流し」は、山を削る大規模な土木事業でした。

削られた跡の平坦地は、やがて棚田になりました。水はけのよい真砂土、日野川源流の清冽な水、 高冷地の寒暖差 — 米をうまくする条件が、そのまま残ったのです。 その棚田のいくつかに、いまトマトのハウスが建っています。

日野郡のたたらは大正期に火を落としました。鉄穴残丘や水路の跡は、いまも町内に残ります。

蔓牛

鉄と、牛と、農の糸

鉄を運び、田を耕す。たたらの郷では足腰の強い牛が重んじられ、その重んじが牛の系統改良 — 蔓牛 (つるうし) の造成につながりました。隣接する岡山県新見市には、黒毛和種の礎のひとつ 「竹の谷蔓」(一八三〇年確立) が伝わります。

鉄の源と、牛の源と、山の農業は、ひとつの産業史でつながっています。日南トマトは、その糸の先にある現在です。

「和牛発祥の地」とは言いません。事実として、最古級の蔓の隣接地です。

産地の歩み

転作の試験から、五十年

日南町のトマトは、昭和三〇年代に一部の農家の露地栽培から始まりました。雨による裂果と病気に 苦しんだ産地は、昭和四〇年代から雨よけハウスへ移行して品質を安定させ、栽培は町の全域に 広がります。平成三年には共同選果場が建てられ、一九九〇年代には大玉品種「桃太郎」を いち早く導入しました。

JA鳥取西部の共同選果場は、光センサーで糖度や熟度を非破壊判定します。生産者は収穫したトマトを コンテナごと持ち込み、選別と出荷を任せて栽培に集中する。この分業が産地の品質を支えています。

出荷先は関西と中国地方の市場が中心。「日南トマト」は基準を満たした果実だけの名前です。

  1. 昭和三〇年代露地栽培はじまる
  2. 昭和四〇年代雨よけハウスへ、町の全域に
  3. 平成三年共同選果場の建設
  4. 一九九〇年代「桃太郎」導入
  5. 二〇一五地域団体商標「日南トマト」登録
  6. 現在光センサー共選

産地をつなぐ人

移住者が支える畑

この産地の担い手は、血縁の後継ぎではありません。過去一三年の新規就農者四〇名のうち、 親元就農はゼロ。町・JA・県が一体の研修制度 (二〇〇九年創設) が全国から研修生を受け入れ、 四七名のうち二三名が日南町で就農しました。

そのひとりが、農業法人ハグクミ3000の松本恭平さんです。移住し、研修を経てトマトと出会い、 いまはこの谷で夏秋トマトを育てています。その記録は書籍として刊行準備中です。

数値は農林水産省の普及活動事例 (令和六年) より。

味わう — 七月から、一一月まで

秋のいちばん甘い頃に

収穫は、夜明けとともに始まります。朝の冷たいうちに摘まれたトマトは共同選果場を経て、 七月から一一月、関西・中国地方の市場を通じて青果売場に並びます。 産地の直売所や産直サイトに規格外の完熟果が出ることもあります。 本デモページに関するご意見、産地への提案の詳細は、下記までお寄せください。

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